歯列矯正歯科
歯列矯正歯科とは
歯並びが気になる方へ
歯が重なって生えていたり、でこぼこに生えていたりすると、口元に自信がもてず笑うのをためらってしまうというご相談をいただきます。不揃いの歯列をきれいに並べ、正しい噛み合わせにする治療が歯の矯正です。食べ物をしっかり噛めるようになるだけでなく、口元にも自信が生まれて表情が明るくなります。
小児矯正歯科
子供の歯並びが悪くなる理由
-
歯並びと歯の大きさ、顎の大きさの関係
歯列がきれいに並ぶためには、顎が充分に大きくなければいけません。
しかし、日本人は顎が小さい傾向があるといわれています。まだ小さいうちに大きな歯が生えてしまうと窮屈になり、歯並びが悪くなります。
また、舌で歯を押したりするような無意識にやってしまう癖も、顎の成長に悪い影響を及ぼす場合があります。 -
指しゃぶり
乳児や幼児といった小さなお子さまによく見られますが、この癖が長く続くと出っ歯などの症状が現れるおそれがあります。小学校に入っても癖が続く場合は、歯科医師にご相談ください。
-
舌突出癖(ぜつとつしゅつへき)
無意識に舌で歯を裏側から押したり、舌を出して歯で挟んだりするような癖です。出っ歯のほか、下の顎が出る受け口、前歯の上下にすき間が生まれる開咬などになりやすくなります。
-
頬杖をつく
なかなか癖が抜けない頬杖ですが、この姿勢は顎の成長を圧迫することがあります。頬の内側を噛むことや、うつ伏せの姿勢で寝ることも、顎の成長に影響すると考えられます。
-
口呼吸
鼻ではなく、口を開けて呼吸する癖のことです。長い時間口を開けていると、噛み合わせが悪くなります。また、睡眠時無呼吸症候群などにつながるおそれもあります。
口元と身体のチェックをしてみましょう
チェックリスト
口元の形が不正である
2歳でブクブクうがいができない
乳歯のうちから歯並びが悪い
乳歯にすき間がなく並んでいる
話すときに滑舌が悪い
虫歯がたくさんある
食べ物を飲み込んでいる
食事の最中によく飲み物を飲む
よく噛まずに食べている
クチャクチャと音を立てて食べる
下の歯が見えないほど噛み合わせが深い
赤ちゃんのときにハイハイをあまりしていなかった
うつ伏せ、または横を向いて寝ている
高すぎる椅子に座って足をブラブラさせている
普段から口が開いている
よく鼻が詰まっている
サイズや形が合わない靴を履いている
寝ているときに口呼吸している
よく唇を噛んでいる
「い」を発音するときに口角が上がらない
目の下にクマができている
口を大きく開けた状態で舌を上顎につけられない
悪い姿勢でテレビを見ている
アレルギーや花粉症をもっている
子どもの矯正歯科治療とは(乳歯列・混合歯列・小児矯正)
歯列矯正は、小さいうちから始めることでよりスムーズに歯並びを整えられます。 お子さまの場合、成長段階から大きく分けて「一期治療」と「二期治療」の2つを行ないます。乳歯と永久歯が混在している一期治療では、主に顎のバランスを整えて歯がきれいに生えてくるための土台作りをします。その経過を見ながら、永久歯が生え揃う二期治療で歯を移動させてきれいに歯列を並べます。また、乳歯のみの時期でも癖を直すなどの治療が可能です。
小児矯正の治療時期
早期に相談することが一番大事です
お子さまの歯並びが良くない、指しゃぶりなどの癖が直らないなど心配されているご家族の方にはぜひ早めにご相談いただきたいと思います。矯正治療は早い段階からスタートすることで、きれいな歯並びにできる可能性が高まります。
-
乳歯列期
(~6歳頃)成長の様子を見ながら、噛み合わせがどのように変化していくか観察します。この時期から可能な矯正として、指しゃぶりなどの歯並びに影響を及ぼす癖の改善や、食事の正しい噛み方の指導などがあります。
-
一期治療/混合歯列期
(6歳~小学校中学年ごろ)永久歯がきれいに生え揃うよう、顎のバランスを整えます。成長期にあるからこそ可能な、非常に大切な治療です。一期治療によって、大人になったときに矯正治療が必要になるリスクを下げられます。
-
二期治療/永久歯列期
(小学校高学年~中学生ごろ)永久歯が映え揃った様子を見て行なう治療です。歯に矯正装置を取り付けて正しい位置に移動させます。一期治療の結果によっては、二期治療を行なう必要がないケースもあります。
お子さまの矯正治療装置について
-
歯列矯正用咬合誘導装置
下の歯が上の歯より前で噛んでいる、いわゆる受け口の状態を矯正する装置です。透明なマウスピースを就寝の際に装着するので、お子さまの負担が大きくありません。3歳ごろから使用可能です。
-
プレートを使った矯正治療
永久歯が生え揃うスペースを確保するために使用する、顎を広げる装置です。スペースが狭いためにデコボコに並んでいる歯列を矯正します。食事の際にはプレートをご自身で取り外せるので、プレートを清潔に保てます。
-
ブラケット矯正
歯に直接取り付けたブラケットにワイヤーを通し、歯を動かしていく矯正治療です。主に成人矯正歯科や、小児矯正歯科の二期治療で適用されます。歯に加える力を定期的に調整し、歯並びをきれいにしていきます。
さまざまな歯並びの症状
-
がたがた・デコボコ(叢生)
顎のスペースが狭く、歯が重なり合うようにしてデコボコに並んでいる状態です。このような歯列は磨きづらく汚れが残りやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
-
出っ歯(上顎前突)
上の前歯が前方に傾いたり、上の顎全体が前に出たりしている状態です。相対的に下の顎が小さい場合は、成長を促して上下の顎のバランスを良くします。
-
正中離開
正中とは、上下歯列を縦に見たときの中央のラインで、この場合は上顎の真ん中の歯(上の前歯)のすき間が離れていることです。一般的に「すきっ歯」といわれる状態です。
-
すきっ歯(空隙歯列)
前歯の間にすき間のある歯並びを「すきっ歯」とよぶことがあり、歯と歯の間にすき間がある状態です。食べカスがたまりやすいうえに隣の歯が倒れてくるなど、歯の健康に悪い影響を及ぼします。
-
八重歯
八重歯は、上顎に生えている小さな牙のような歯が前に出ている状態です。日本人に多く見られる叢生のひとつです。食べ物が挟まりやすく、虫歯などのリスクを高めます。
-
受け口(反対咬合)
上の顎より前に下の顎が出て、いわゆる「しゃくれ」ている状態になることです。骨格全体が前方へ突き出ると治療が難しくなるので、骨格のバランスを整えられるうちに矯正する必要があります。
【歯列矯正歯科治療のリスク・副作用】
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯肉が下がること)を引き起こすことがあります。
- 歯を移動させる力により、痛みや違和感を覚えることがあります。また、装置の刺激で、歯肉の炎症や口内炎を発症することがあります。
- 装置の装着により、歯磨きしにくい部位が出ることがあります。
そのため毎日の清掃が不十分だった場合、虫歯、歯肉炎や歯周炎、歯の変色などを引き起こすことがあります。 - 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、 一般的に2~4年を要します。
小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~3年、
永久歯がすべて生え揃った後に行なう第2期治療で2~4年を要することがあります。 - 歯の移動終了後、リテーナー(保定装置)の使用期間の不足や歯ぎしりなど癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合を引き起こすことがあります。