口腔がん検診
口腔がんとは
早期発見・早期治療が重要です
口腔とは「お口の中」のこと。口腔がんはその名のとおり「お口の中にできるがん」です。口腔がんは、主に舌や口腔底(舌の下側)、歯肉にできます。口腔がんもほかのがんと同じく、早期発見・早期治療によって改善できる可能性が高くなります。初期のものは自覚症状がなく、口内炎と間違えることもあります。医療機関での発見が遅れないよう、普段から検診に高い意識をもっていただきたいと考えています。
このような症状がある方は要注意
- 口の中の粘膜が白く、もしくは赤くなっている部分がある。
- 口の中に「しこり」、「腫れ」など膨らんだ部分がある。
- 頬や舌が動かしにくい、痛い、違和感がある。
- 2週間以上も治らない口内炎がある。
- 口の中から出血がある。
- 入れ歯が合わない、痛みがある。
- 歯がグラグラするが原因は不明。
- 首の周りのリンパ節が腫れている。
- しゃべりにくい。
口腔がん検診の重要性
口腔がんは、早期のものであれば5年生存率は90%とされていますが、進行がんでは50%となってしまいます。それだけに、早期発見・早期治療が症状を改善できる可能性を高めます。がんが進行すると、舌や顎、頬などを大きく切らなければならず、噛んだりしゃべったりする機能が制限されてしまいます。
初期の段階で発見し治療に至るためにも、1年に1回を最低限の目安として検診に行き、医師の診察を受けていただきたいと思います。
口腔がんになりやすい方
口腔がんになる原因として、歯の詰め物や虫歯などが、舌や頬に常に当たって刺激することが挙げられています。あまり歯を磨かず、口の中の衛生状態が悪いままになっていることも原因のひとつといわれています。
また、タバコやお酒をたしなむ習慣がある方や、刺激の強い食べ物を好むという方も口腔がんの発生に関係していると考えられています。
これらはあくまで口腔がんになりやすい傾向があるというものですが、リスクを下げるためにも生活習慣などの見直しが必要です。
口腔がん検診の基本的な流れ
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1
診療のご予約
口腔がん検診をご希望の方には、ご予約をお願いしております。
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2
受付・問診票のご記入
問診票では食生活や喫煙習慣の有無などについてご記入いただき、口腔がんになりやすいリスクがあるか診断します。
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3
視診・触診・X線撮影
視診は、目で口内の状態をチェックする検査です。触診では、口内にしこりなどの異常がないか触って確認します。また、X線で口内を撮影します。
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4
検診結果を元にカウンセリング
検査の結果を患者さまにご報告します。写真やデータを見ながら、わかりやすくご説明します。
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5
治療開始、または、定期的な口腔がん検診・口腔健診
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異常なしの場合
継続して、最低でも年に1回は口腔がん検診・口腔健診を受けましょう。
問題がなかった場合でも、継続して検診を受けることが早期発見につながります。年に1回は検診を受けることをおすすめします。 -
何らかの異常があった場合
歯科医師の指示に基づき、治療を開始します。
さらに詳しい検査や、治療などが必要となる場合があります。
歯科医師がカウンセリングを通じて指示・説明をします。
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口腔がんの種類
口腔がんには癌腫(舌がん、歯肉がんなど)、肉腫(顎骨の骨肉腫など)、造血器の悪性腫瘍(首や顎骨内の悪性リンパ腫など)といった種類があります。中でも、癌腫の舌がんや歯肉がんは口腔がんの中でも発生する割合が高いとされています。